運送業の営業所はトレーラーハウスでも良いですか?
トレーラーハウスは運送業の営業所として認められる場合が多いですが、設置方法を誤ると営業所としての認可が下りない場合があるので注意が必要です。
設置方法によって、認可が下りるか下りないか決まるのですか?
はい。建物ではなく、車両としての扱いを受けるための設置方法があるので、その方法で設置する必要があります。
運送業の営業所として、トレーラハウスを活用することを検討している方が近年増えて来ています。
そんなトレーラハウスですが、設置の方法に少し気を付ける必要があります。
この記事では、運送業の営業所としてトレーラハウスを使用する場合の注意点などを解説します。
車庫の近くに営業所を設けようと思っても、その土地が市街化調整区域である場合、原則として建物は建てられません。
しかし、トレーラーハウスであれば建物としての扱いを受けない設置方法があるため、市街化調整区域に設置することも可能です。
つまりトレーラーハウスは「車庫に営業所を併設したいけれど、市街化調整区域なので建物が建てれない」と言われて、営業所の設置を諦めている方にとっては夢のような設備なのです。
先程、トレーラーハウスは設置方法によっては建物としての扱いを受けないと言いました。
裏を返せば設置方法を誤ると、建物としての規制を受けて市街化調整区域に設置できないという場合もあるという事です。
では、建物としての扱いを受けない設置方法とはどのような方法なのでしょうか。
この方法について実は自治体によって異なるのですが、多くの自治体が採用しているのが「トレーラーハウス協会の設置基準」です。
トレーラーハウス協会というのは、トレーラーハウス業界の発展や規制の推進を目的とした団体で、こちらで設定している基準を守れば建物としての扱いを受けないという事になります。
早速ですが、トレーラーハウス協会が発表している設置基準は次の13項目です。
こちらの項目をそのまま自治体が採用している場合が多く、これらの項目を守ることで建物としての扱いを受けないとしています。
①車輪が取り外されていないこと。また車輪が走行可能な状態に保守されていること。
②車輪以外のもので地盤上に支持されている場合、その支持構造体が工具なしで取り外しができること。
③トレーラーハウスの進行方向に固定された障害物がないこと。
④トレーラーハウスの設置場所から公道へ至る通路が確保されていること。
⑤階段・デッキが独立した構造体でありトレーラーハウスの移動に支障がないこと。
⑥トレーラーハウスが複数台設置されている場合、それらが連結されていないこと。
⑦給水管の接続方法が工具を使用せず着脱出来る方式であること。
⑧排水管の接続方法が工具を使用せず着脱出来る方式であること。
⑨電気配線の接続方法が工具を使用せず着脱出来る方式であること。
⑩ガスボンベがトレーラーハウスに積載されているかまたはレンチで簡易に着脱できること。
⑪通信回線の接続方法が工具を使用せずに着脱出来る方式であること。
⑫エアコン等の室外機がトレーラーハウスに積載されていること。
⑬適法に公道を移動できることを証明する公的な書類があること。(車検証または基準緩和認定書等)
トレーラーハウス 設置検査基準マニュアルより準用
これら13項目に共通していることは、「いつでも動かせる状態にしてある」という事です。
つまり、動かそうと思えばいつでも動かせる車両であるため、建物ではないという理屈です。
万が一これらの基準を守らずに設置してしまった場合、そのトレーラーハウスは土地に定着しているとみなされ、建物としての規制を受けてしまう場合がありますので、注意が必要です。
今回は、運送業の営業所をトレーラハウスとする事について解説しました。
当事務所はトレーラハウスを利用した運送業に関する許認可についても承っております。
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