一般貨物に付随する利用運送を登録する方法を解説
運送業許可における利用運送の同時登録方法は、申請時に「利用運送契約書」を添付することです。

一般貨物に付随する利用運送を登録する方法を解説

相談者様

 

運送業の許可を取得したら利用運送(水屋)も行っていいですか?

行政書士

 

一般貨物の許可を取得する際に「利用運送契約書」を添付すれば、利用運送を行うことが出来るようになります。

相談者様

 

利用運送契約書とは何ですか?

行政書士

 

利用運送を行うにあたり、荷物を運んでもらう運送会社と結ぶ契約書です。

相談者様

 

実際に契約済みの契約書を用意する必要があるのですか?

行政書士

 

おっしゃる通りです。添付するのはお互いが記名捺印し、契約した書類である必要があります。

 

一般貨物の許可を取得した際に、利用運送も同時にできるような内容で登録するためには、契約済みの「利用運送契約書」を添付する必要があります。

 

この記事では、一般貨物運送業許可の利用運送の同時登録について解説します。

 

一般貨物自動車運送業許可と貨物利用運送事業登録

 

緑ナンバーで運送業を行うためには、一般貨物運送業の許可を取得する必要があります。

 

また、いわゆる水屋と呼ばれる、トラックを使った利用運送を行う場合には、第一種貨物利用運送登録という登録が必要となります。

 

本来、この二つの許可・登録は全く別物です。

 

しかし、利用運送の登録で必要な施設や、登録の条件は、一般貨物運送業の許可を取れば自然と満たすのです。

 

そこで、現時点では一般貨物の許可を取得する際に「利用運送契約書」を添付すれば、利用運送を行うことが出来るようになっています。

 

利用運送契約書とは

 

運送業許可の申請先である国土交通省が、利用運送契約書の見本を公開しています。

 

 

この契約は、自分が利用運送事業者の立場で、一般貨物運送業者と契約したものでなくてはなりません。

 

画像の契約書で言うと、乙には申請者である自社が入り、甲には運送を委託する相手方の運送会社が入ります。

 

まだ許可を得ていない段階で、別の運送会社との契約書を用意するのは難しいかもしれませんが、これをしておくと自分が運びきれない荷物を下請けとして、別の運送会社に運んでもらうことが出来ます。

 

同時申請のメリット・デメリット

次に、一般貨物運送業許可と同時に利用運送も出来るようにする場合のメリット・デメリットを解説します。

 

利用運送も出来るようにするメリット

 

メリットはズバリ1つ、第一種貨物利用運送の登録をすることなく、利用運送を行うことが出来ます。

 

冒頭でも少し触れましたが、本来利用運送を行うためには「第一種貨物利用運送登録」という登録を受ける必要があります。

 

こちらの登録をすることなく、利用運送行為を行う事は違法です。

 

しかし、一般貨物運送業の許可申請と同時に利用運送も行う事ができる内容で許可を得れば、合法的に利用運送を行う事ができます。

 

つまり、自分の会社で運びきれない荷物を外注し、荷主からの運賃と実際に依頼する運送会社への運賃の差額を、利益として売り上げにすることができます。

 

利用運送も出来るようにするデメリット

 

一般貨物運送業許可の申請の際に契約済みの「利用運送契約書」を提出する必要があるので、集める書類が1つ増えます。

 

緑ナンバーの許可の方を最優先で取得したい方にとっては、「利用運送契約書」だけ揃わず、いつまでの申請できないといった状況になる可能性もあるので、そこはデメリットとなります。

 

ただ、仮に申請時に利用運送契約書を用意できなかった場合、あとから契約書を提出し、利用運送を出来るようにすることも可能です。

 

だだし、その際は別途認可申請を行う必要があるので、2~3ヶ月の期間がかかります。

 

利用運送の許可証

 

一般貨物運送業者が利用運送を行う場合、原則として利用運送単体の許可証は発行されません。

 

利用運送の許可は、一般貨物運送業の許可に包括されているという扱いになるためです。

 

どうしても利用運送の登録証(許可証)も欲しい場合は、別途第一種貨物利用運送登録の申請をし、運輸局から登録を得るしかありません。

 

まとめ

 

一般貨物運送業の許可を申請しようとする方は、「利用運送契約書」を申請時に添付することによって、緑ナンバーの仕事だけでなく、水屋の仕事(利用運送)も出来るようになります。

 

これは、これから運送業を始めるうえで損はない特典なので、利用運送契約書が準備できる場合は、是非同時に登録しておくのが良いと思います。