産業廃棄物収集運搬業とは、事業活動によって生じた廃棄物(産業廃棄物)の収集や運搬を業として行う事です。
なお、一般の家庭で生じた廃棄物(一般廃棄物)の収集等を行う、一般廃棄物収集運搬業という事業も存在します。
産業廃棄物収集運搬業を行うためには、事業を行う区域を管轄する都道府県知事等の許可を得ることが必要です。
事業を行う区域とは、廃棄物の積み込みを行う「都道府県」と持ち込む処分場が存在する「都道府県」を指します。
たとえば、愛知県の建設現場から三重県の処分場へ運ぶ場合、「愛知県」と「三重県」の両方の知事へ申請し、許可を取る必要があります。
この許可の申請について、一定の条件をクリアする必要があり、多くの添付書類を用意する事も求められます。
産業廃棄物収集運搬業とは、事業活動によって生じた廃棄物(産業廃棄物)の収集や運搬を業として行う事です。
なお、一般の家庭で生じた廃棄物(一般廃棄物)の収集等を行う、一般廃棄物収集運搬業という事業も存在します。
許可の申請は次のような順番で進めます。
後ほど、「産業廃棄物収集運搬業許可の要件」というタイトルで解説しますが、産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するためにはクリアしなければならない条件(一般的に「要件」といいます。)があります。
その中に、会社の経済状況に関する要件があります。(物理的基礎要件といいます。)
物理的基礎要件は、過去3期分の決算書を確認することで満たしているかどうか判断することができます。
仮に会社の財政状況が芳しくなく、物理的基礎要件を現状満たしていない場合は、他の対策が必要となるため、まず最初にこちらを確認します。
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するには、申請しようとする会社の役員が公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター(通称:JWセンター)にて講習を受講しなければなりません。
こちらの講習は開催時期が決まっており、受講の枠にも限りがあるので、まずは申し込みだけでもは早めに済ませておきます。
産業廃棄物収集運搬業の許可は、許可取得の要件として事業を始めるだけの資金があることが求められます。
ただし、産業廃棄物収集運搬業の許可を取る方は、元々何らかの事業をしていた方も多く、その場合はその事業の施設を流用するという事で、資金の証明がいらない場合もあります。
これから事業を立ち上げて、産業廃棄物収集運搬業の許可を取ろうという方については、金融機関からの融資を受けて資金を用意することもあると思います。
そのような場合は、まずは金融機関に相談に行って融資の段取りを取っておきます。
産業廃棄物収集運搬業許可の要件を満たすため、事業を営むための事務所や車庫、車両とそのドライバーを確保する必要があります。
許可申請の段階で、事務所の所在地やどのような車両を使用するかどうかは、申請書に記載する必要があるので、この段階で決めておく必要があります。
産業廃棄物収集運搬業許可の申請書には、記載する内容の証明のため多くの書類(一般的に「添付書類」といいます。)を用意する必要があります。
車両の「車検証の写しや写真」や会社の「履歴事項全部証明書」などなど様々な添付書類を集める必要がります。
許可取得のための要件を満たし、決められた添付書類を揃えることができたら、いよいよ申請書を作成し都道府県の廃棄物を取り扱っている事務所へ申請します。
申請から許可までの審査機関は、約2ヶ月と決められており短縮することはできません。
審査期間が経過し、申請内容に問題が無ければ産業廃棄物収集運搬業の許可が下ります。
これで一連の許可取得の手続きが全て終了します。
先程の「申請の流れ」でも少し解説しましたが、産業廃棄物収集運搬の許可を取得するためには、一定の要件をクリアする必要があります。
要件は大きく下記の5つに分けることができます。
「申請の流れ」で解説した通り、産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するためには、申請しようとする会社の役員が、公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター(通称:JWセンター)にて講習を受講する必要があります。
また役員だけでなく、政令使用人という営業所単位での責任者が受講しても良いことになっています。
講習の受講については、自宅のパソコン等で講義を視聴し、その後会場で試験を受ける「オンライン形式」と、対面で講師の講義を受けてその場の会場で試験を受ける「対面形式」の2つがあります。
記事作成時点では、受講料はオンライン形式が25,300円、対面形式が29,700円となっております。
講習は2日間あり、終了後約2週間程度で「修了証」が交付されます。
終了証の原本は、実際に申請する際に提示する必要があります。
「物理的基礎を有している」とは簡単に言うと、その会社が今後事業を継続していくことができる経済状況であるという事です。
会社の過去3期分の決算書にて判断し、「債務超過に陥っていないか」や「経常利益があるか」等を確認されます。
ただし、この物理的基礎の要件に関しては各都道府県によって扱いが異なるため注意が必要です。
また、仮に物理的基礎を有していない場合は、経営診断書等の追加書類を提出することで、要件をクリアできる場合も多いです。
詳しくは「債務超過(赤字)の状態での産業廃棄物収集運搬許可申請について」をご覧ください。
「適切な事業計画」とは、例えば「運搬する廃棄物の量に対して、運搬する車両の規格は適切であるか」や「運搬しようとする廃棄物について、運搬先の処分場は適切か」など事業全体の計画をチェックされます。
しかし、これは逆に言うと適切な事業計画になるよう申請すればよいので、そこまで気にする必要はありません。
運搬するための車両や、運搬にあたって使用する運搬容器等を確保していることが求められます。
車両については車検証と車両の写真を提出することで証明します。
産業廃棄物収集運搬の車両というと、大きな深ダンプ等を想像される方もいるかもしれませんが、実は軽自動車でも車両として認められます。
また、運搬容器については水銀製品を運ぶ場合は専用のケースを求められたり。汚泥を運ぶ場合はそのためのビニールが必要であったりと細かな規定があります。
申請しようとする会社の役員や、先ほど出てきた営業所長などの政令使用人が、次のような欠格事由に該当してしまうと、許可を取得することができません。
- 第七条第五項第四号イからチまでのいずれかに該当する者
- 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において「暴力団員」という。)又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(以下この号において「暴力団員等」という。)
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人がイ又はロのいずれかに該当するもの
- 法人でその役員又は政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの
- 個人で政令で定める使用人のうちにイ又はロのいずれかに該当する者のあるもの
- 暴力団員等がその事業活動を支配する者
廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第14条第5項第2号イからヘより引用
一番上の「第七条第五項第四号イからチ」は次の通りです。
- 心身の故障によりその業務を適切に行うことができない者として環境省令で定めるもの
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
- この法律、浄化槽法(昭和五十八年法律第四十三号)その他生活環境の保全を目的とする法令で政令で定めるもの若しくはこれらの法令に基づく処分若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号。第三十二条の三第七項及び第三十二条の十一第一項を除く。)の規定に違反し、又は刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪若しくは暴力行為等処罰ニ関スル法律(大正十五年法律第六十号)の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から五年を経過しない者
- 第七条の四第一項(第四号に係る部分を除く。)若しくは第二項若しくは第十四条の三の二第一項(第四号に係る部分を除く。)若しくは第二項(これらの規定を第十四条の六において読み替えて準用する場合を含む。)又は浄化槽法第四十一条第二項の規定により許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者(当該許可を取り消された者が法人である場合(第七条の四第一項第三号又は第十四条の三の二第一項第三号(第十四条の六において準用する場合を含む。)に該当することにより許可が取り消された場合を除く。)においては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があつた日前六十日以内に当該法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この号、第八条の五第六項及び第十四条第五項第二号ニにおいて同じ。)であつた者で当該取消しの日から五年を経過しないものを含む。)
- 第七条の四若しくは第十四条の三の二(第十四条の六において読み替えて準用する場合を含む。)又は浄化槽法第四十一条第二項の規定による許可の取消しの処分に係る行政手続法第十五条の規定による通知があつた日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に次条第三項(第十四条の二第三項及び第十四条の五第三項において読み替えて準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の規定による一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集若しくは運搬若しくは処分(再生することを含む。)の事業のいずれかの事業の全部の廃止の届出又は浄化槽法第三十八条第五号に該当する旨の同条の規定による届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から五年を経過しないもの
- ヘに規定する期間内に次条第三項の規定による一般廃棄物若しくは産業廃棄物の収集若しくは運搬若しくは処分の事業のいずれかの事業の全部の廃止の届出又は浄化槽法第三十八条第五号に該当する旨の同条の規定による届出があつた場合において、ヘの通知の日前六十日以内に当該届出に係る法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員若しくは政令で定める使用人であつた者又は当該届出に係る個人(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)の政令で定める使用人であつた者で、当該届出の日から五年を経過しないもの
- その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第七条第五項第四号イからチより引用
とても最後まで読むことができないような複雑な内容だったと思います。
おおまかに要約すると、次のような方は欠格事由に該当する可能性があるので、要確認です。
当事務所では、まずはお客様の情報をヒアリングし、運送業の許可申請が可能であるかを判断いたします。
現時点で許可の申請はできないと判断した場合、報酬をいただくことはありませんのでご安心ください。
すぐに申請可能、もしくはあと一歩で申請可能である場合には、今後行っていいただく事など適切なアドバイスを行い複雑な申請書作成や運輸局とのやり取りは、すべて当事務所にて行います。
また、既に産業廃棄物収集運搬業許可をお持ちの方で、事務所や品目等の変更手続きにつきましてももちろん当事務所にて承ることが可能です。
業務 | 料金(税込み) |
---|---|
新規許可 |
110,000円 |
更新許可 |
88,000円 |
変更許可申請 |
55,000円~ |
変更届 |
22,000円~ |
※新規許可の場合、登録免許税として別途81,000円必要となります。
※更新許可の場合、登録免許税として別途73,000円必要となります。
※変更許可の場合、登録免許税として別途71,000円必要となります。