会社の決算が赤字(債務超過)でも産業廃棄物収集運搬許可申請はできますか?
追加の書類を用意することで、産業廃棄物収集運搬許可の申請をし、許可を得ることができる場合があります。
追加の書類とはどのような書類ですか?
都道府県によって異なりますが、中小企業診断士や会計士が作成した経営診断書である場合が多いです。
産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するためには「物理的基礎」といって、その業務を継続して行うことができる経営状態であることが求められます。
つまり「産業廃棄物収集運搬業を今後継続することができるだろう」と認められないと許可が出ないようになっているという事です。
そして会社の決算が債務超過や赤字であると、都道府県によっては「物理的基礎」が無いとみなされ、追加の書類が求められられることになります。
つまり基本的に決算書を見れば、産業廃棄物収集運搬業の許可が取れる状態であるか判断することができます。
厳密に言うと、債務超過と赤字はそれぞれ別の状態です。
それぞれどのような状態を指すのか、一つずつ解説していきます。
債務超過とは、決算書の貸借対照表にて、純資産の額がマイナスになっている状態のことを言います。
これは会社が保有している資産よりも、負債の方が多い状態となっています。
会社が債務超過の状態である場合、産業廃棄物収集運搬業の許可を取得する際に追加の書類を求める都道府県が多いです。
下記の図は、ある会社の貸借対照表ですが、純資産の額がプラスであるため、債務超過ではない状態となります。
産業廃棄物収集運搬業の許可における赤字とは、決算書の損益計算書にて、経常損益がマイナスになっている状態のことを言います。
債務超過の状態は貸借対照表で判断したのに対して、赤字は損益計算書にて判断します。
直近3年の業績が平均して赤字であると、これもまた産業廃棄物収集運搬業の許可を取得する際に追加の書類を求める都道府県が多い印象です。
下記の図は、これもある会社の損益計算書ですが、経常損失金額となっているため、赤字の状態となります。
もし黒字であれば、「経常損失金額」ではなく、「経常利益金額」となるからです。
具体的にどのような書類が必要となるかは、許可を取得する都道府県によって異なるので一概には言えないのですが、今後の事業収支予定を記載した「経営診断書」や「収支計画書」を求められる場合が多いようです。
なお、これらの書類は誰が作っても良いわけではなく、中小企業診断士や公認会計士が作成したものでなくてはいけないという条件がついていることが多々あるので注意が必要です。
基本的に営業実績が3年未満である場合、つまり会社の決算書がまだ3期分用意できない会社は追加書類が必要となる場合があります。
会社が債務超過であり、かつ直近の年度3期分平均して赤字でもある場合は、追加書類を提出しても許可が取れない都道府県もあります。
このような場合は、最初に決算書を確認してもらい、追加書類を提出することで許可が出るのどうか、よく相談をする必要があります。
会社でなく個人で産業廃棄物収集運搬業の許可を申請する場合も、物理的基礎の要件はあります。
個人の場合は、その方の資産状況のほか、所得税の納付状況によっても判断されるケースもあります。
産業廃棄物収集運搬業の許可は、物理的基礎といってその会社の決算状況によって、用意する書類が増えたり、そもそも許可が取れないという場合があります。
そしてこの条件は都道府県によって扱いが様々であり、完全に把握することは難しいです。
確実に産業廃棄物収集運搬業の許可がとりたいという場合は、やはり専門家に頼むのが早く確実です。
「産業廃棄物収集運搬許可を取りたいが、うちの会社で取れるかどうか分からない」「産業廃棄物収集運搬許可のことで疑問がある」という方はお気軽にお問い合わせください。
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