産業廃棄物収集運搬業を行う際に必要な講習(試験)について解説

相談者様

 

産業廃棄物収集運搬業を行う場合、講習を受講する必要があると聞きましたが本当ですか?

行政書士

 

おっしゃる通りです。産業廃棄物の収集運搬業者や処理業者は、法律で特定の講習受講が義務付けられています。

相談者様

 

どのような講習なのでしょうか?

行政書士

 

2日間の講習+マークシート試験がセットになった講習です。日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)という機関が主催しています。

 

 

講習の概要

この講習は、産業廃棄物の適切な管理や処理について理解を深める目的で行われ、日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)という機関が主催しています。

 

講習は許可を始めて取る際に必要な「新規講習」と許可の更新をする際に必要な「更新講習」があります。

 

新規は12時間の講習を2日かけて行い、最終的に会場で40分35問のマークシート式の試験を実施します。
昨今はコロナの影響からか、2日間の講習についてはビデオ方式で行われることが多いようです。

 

しかし、最後の試験については会場に足を運んで受ける必要があります。

 

誰が受講するか

産業廃棄物収集運搬の許可を法人で申請する場合は、次のいずれかの方が受講する必要があります。

 

  1. 法人の役員
  2. 事業所の代表責任者(営業所長など)

 

②の事業所の代表者については政令使用人といい、役員に準ずるという形で受講者としての権限が認められています。

 

ただし、申請する地域によっては会社の役員しか認めないという地域もあるようなので、政令使用人が講習を受講して許可を取得しようとする場合は予め申請先の機関に確認を取るようにしましょう。

 

なお、産業廃棄物収集運搬の許可を個人で申請する場合は、その個人が講習を受講する必要があります。
法人で許可を取得する場合とは、考え方が異なるので注意してください。

 

有効期限

今回この講習を受講する目的は産業廃棄物の許可を取得することだと思います。
産業廃棄物の許可申請をする際は、この講習の修了証が必要となるからです。

 

そして、この産業廃棄物に関する講習は、申請先の自治体によって有効期限というものが定められています。
産業廃棄物の許可申請をする際に、期限が切れていない講習修了証が必要になるという訳です。

 

肝心の有効期限については、「新規」で講習を受けた場合は5年、「更新」で講習を受けた場合は2年というのが一般的です。

 

しかし、愛知県では「新規」・「更新」ともに5年であったりと、申請先の都道府県によって多少取り扱いが異なります。

 

そのため許可申請をする前に、申請機関に講習の有効期限について問い合わせておくのが確実と言えます。

 

受講の流れ

続いて講習の受講の流れですが、次の流れで進みます。

 

  1. 顔写真データの登録
  2. 受講の申込み
  3. 受講料の支払い
  4. 講義の受講
  5. 試験の受験
  6. 修了証の交付

 

顔写真データの登録

受講の申込みの際に顔写真が必要となるので予めデータを登録しておきます。

 

スマートフォンなどのカメラ機能がある端末から撮影して登録することもできますし、予め撮影したデータを使用することもできます。

 

顔写真データの登録についてというページに詳細が載っています。

 

受講の申込み

申し込みページにて受講方法をオンライン形式か対面形式か選択し、講習会の種類を選択します。

 

始めて産業廃棄物収集運搬の許可を取得する場合、講習会の種類は、処理業(新規)講習会の「産廃の収集・運搬課程」を選択することになるかと思います。

 

講習会を選択したら、受講する会場を選んで申し込みを行います。
この会場はオンライン形式の場合は試験を受ける会場、対面形式の場合は受講及び試験を受ける場所です。

 

受講料の支払い

申し込みが完了すると、仮受付として受講料の支払いに必要な情報が載っているメールが届きます。
受講料は、令和6年8月1日現在産廃の収集・運搬課程(新規)で25,300円です。

 

メールが届いたら、期日までに支払いを行いましょう。

 

講義の受講

支払後数週間するとオンライン形式の場合は、テキスト等の資料が届きます。
届いたら講習を申し込んだサイトからマイページに移動し、講義動画を視聴します。

 

対面形式の場合は、指定した日時に会場へ行き、講義を受講します。
テキストは会場で配布されるようです。

 

試験の受験

講義の受講が完了したら、会場にて試験を受けます。
オンライン形式を選択した方も、試験だけは会場で受ける必要があります。

 

出題数は37問で試験時間は40分、7割以上の正解で合格となります。

 

修了証の交付

試験に合格すると、数週間で終了証が発行され手元に送られます。
残念ながら試験に不合格だった方は、再試験の案内が送られてきます。

 

なお、再試験は2回まで受けることができるようです。

 

問い合わせ先

最後に産業廃棄物の許可を申請する自治体の情報をまとめておきます。

 

なお、申請先の都道府県の考え方については「産業廃棄物収集運搬業許可を取得する都道府県について解説」をご覧ください。

 

申請先の都道府県 審査機関
北海道 北海道 環境生活部 環境保全局 循環型社会推進課 産業廃棄物係
青森県 青森県 環境エネルギー部 環境保全課 廃棄物・不法投棄対策グループ
岩手県 岩手県 環境生活部 資源循環推進課
秋田県 秋田県 生活環境部 環境整備課 廃棄物対策チーム
宮崎県 宮城県 環境生活部 廃棄物対策課 指導班
山形県 山形県 環境エネルギー部 循環型社会推進課

福島県

福島県 生活環境部 産業廃棄物課
茨城県 茨城県 県民生活環境部 廃棄物規制課
群馬県 群馬県 環境森林部 廃棄物・リサイクル課 産業廃棄物係
栃木県 栃木県 環境森林部 資源循環推進課 審査指導班
埼玉県 埼玉県 環境部 産業廃棄物指導課
千葉県 千葉県 環境生活部 廃棄物指導課
東京都 東京都 環境局 資源循環推進部 産業廃棄物対策課 審査係
神奈川県 神奈川県 環境農政局 環境部 資源循環推進課
新潟県 新潟県 環境局 資源循環推進課 産業廃棄物係
富山県 富山県 生活環境文化部 環境政策課 廃棄物対策班
石川県 石川県 生活環境部 資源循環推進課
福井県 福井県 エネルギー環境部 循環社会推進課
山梨県 山梨県 環境・エネルギー部 環境整備課 産業廃棄物担当
長野県 長野県 環境部 資源循環推進課 廃棄物審査係
岐阜県 岐阜県 環境生活部 廃棄物対策課
静岡県 静岡県 くらし・環境部 環境局 廃棄物リサイクル課
愛知県 愛知県 環境局 資源循環推進課 産業廃棄物グループ
三重県 三重県 環境生活部 環境共生局 廃棄物対策課 廃棄物規制・審査班
滋賀県 滋賀県 琵琶湖環境部 循環社会推進課 廃棄物対策室
京都府 京都府 総合政策環境部 循環型社会推進課 産業廃棄物係
大阪府 大阪府 環境農林水産部 循環型社会推進室 産業廃棄物指導課
兵庫県 兵庫県 環境部 環境整備課
奈良県 奈良県 環境森林部 廃棄物対策課
和歌山県 和歌山県 環境生活部 環境政策局 循環型社会推進課
鳥取県 鳥取県 生活環境部 自然共生社会局 循環型社会推進課
島根県 島根県 環境生活部 廃棄物対策課
岡山県 岡山県 環境文化部 循環型社会推進課 産業廃棄物班
広島県 広島県 環境県民局 産業廃棄物対策課
山口県 山口県 環境生活部 廃棄物・リサイクル対策課
徳島県 徳島県 生活環境部 環境指導課
香川県 香川県 環境森林部 循環型社会推進課
愛媛県 愛媛県 県民環境部 環境局 循環型社会推進課
高知県 高知県 林業振興・環境部 環境対策課
福岡県 福岡県 環境部 廃棄物対策課
佐賀県 佐賀県 県民環境部 循環型社会推進課
長崎県 長崎県 県民生活環境部 資源循環推進課
熊本県 熊本県 環境生活部 循環社会推進課
大分県 大分県 生活環境部 循環社会推進課
宮崎県 宮崎県 環境森林部 循環社会推進課
鹿児島県 鹿児島県 環境林務部 廃棄物・リサイクル対策課 産業廃棄物係

沖縄県

沖縄県 環境部 環境整備課