運送業許可取得のために必要な運転手の人数について解説
運送業許可取得のために必要な運転手の人数は最低5人とされています。

運送業許可取得のために必要な運転手の人数について解説

相談者様

 

運送業の許可を取得するためには運転手は何人必要ですか?

行政書士

 

運転手は5名確保する必要があります。

相談者様

 

車両が5台必要だから運転手も5人という訳ですね。役員や運行管理者を運転手としてカウントすることはできるのでしょうか?

行政書士

 

おっしゃる通りです。役員さんは運転手としてカウントすることができます。運行管理者については、運行管理の補助者という役職の方を用意すれば5人のうちの1人としてカウント出来ます。

相談者様

 

なるほど、運転手は正社員でなければならないのですか?

行政書士

 

必ずしも正社員である必要はありませんので、パートやアルバイトでも大丈夫です。ただし、運転者になることができない方もいるので、一緒に確認していきましょう。

 

運送業許可取得のためには最低5名の運転手が必要となります。
この記事ではそんな運転手について運送業専門の行政書士が解説します。

 

運転手として選任できない方

下記のような方は5人のうちにカウントできないので、注意が必要です。
なお、正社員である必要はなく、パート・アルバイトでも問題ありません。

 

  1. 日雇いの労働者
  2. 雇用期間が2か月以内の短期雇用労働者
  3. 14日間以内の使用期間中の者

 

他の役職との兼任

運転手は、基本的にどんな役職とも兼任することができます。
具体的に問題なく兼任できる役職は次の4つです。

 

  1. 役員(代表取締役を含む)
  2. 整備管理者
  3. 運行管理補助者
  4. 整備管理補助者

 

問題となるのが、運行管理者との兼任です。
運行管理車は運転手と兼任できないと思われがちですが、実は兼任する方法があります。

 

それは冒頭の会話でも出てきた運行管理補助者を選任することです。
運行管理補助者とは、運行管理者に代わり運転手の点呼をすることができる役職です。

 

運行管理補助者は、NASVA(独立行政法人自動車事故対策機構)で運行管理基礎講習を受講することで選任することができます。

 

運行管理者が運転手と兼任できないと言われているのは、出庫の際に運行管理者自身を点呼する者がいないからです。

 

しかし、補助者がいれば運行管理者を点呼することができます。
セルフ点呼はできませんが、補助者が運行管理者を点呼し、運行管理者が補助者を点呼することはできます。

 

そのため、次のような人員で申請することが出来るという訳です。

 

  1. 運転手(兼 代表取締役)
  2. 運転手(兼 運行管理者)
  3. 運転手(兼 運行管理補助者)
  4. 運転手(兼 整備管理者)
  5. 運転手(兼 整備管理補助者)

 

この5人体制が、考えられる中で最低人数での申請です。

 

運転手を確保するタイミング

運輸局に申請書を提出するまでに確保することが出来ればベストですが、難しい場合は実際に運送業を開始するまででも問題ありません。

 

申請までに確保できた場合は、申請書の運転手を記載する欄に氏名を記載し、免許証のコピーを添付します。

 

申請までに確保が難しい場合は、運転手の欄には確保予定日を記載し、許可取得後に提出する「運輸開始前の確認について」という書類に運転手の氏名を記載し、免許証のコピーを添付します。

 

保険の加入について

次の2つのいずれかに該当する場合は、社会保険に加入する義務が生じるので、保険に加入し加入したことを証明する保険証の写しや、雇用保険被保険者証の写しを運輸局に提出する必要があります。

 

週に働く時間が正社員の3/4以上であり、月に働く日数が正社員の3/4以上の場合

 

例えば、正社員の労働時間を40時間/週、労働日数を20日/月と定めて雇用している場合で考えます。

 

この場合、アルバイト・パート従業員の働く時間を、30時間/週15日/月以上の契約で雇用する場合は、社会保険に加入する義務が発生します。

 

短時間労働者に該当する場合

 

次の全部に該当した場合も、短時間労働者として社会保険に加入する義務が発生します。

 

    1. 学生ではない
    2. 2か月を超えて雇われる
    3. 週の労働時間が20時間以上である
    4. 月の給与が88,000円以上である

 

なお、特定適用事業所(厚生年金加入者が100人(令和6年10月からは50人)に該当しない企業であっても、被保険者の同意に基づき、短時間労働者は社会保険に加入することが出来るため、実務上は加入する必要があるとされています。

 

この2つに該当せず、健康保険・雇用保険に加入する義務が発生しなければ、加入する必要はありません
また、運転手に年齢制限もありません。