キャンピングカーをレンタル車両にして収益を得ることは可能ですか?
可能です。ただし、そのようなレンタカー事業を行うためにはレンタカーの許可を取得し、貸し出す車両を「わナンバー」に変更する必要があります。
キャンピングカーも「わナンバー」に変更できるのでしょうか。
はい、キャンピングカーやキッチンカーのような特種車両についても「わナンバー」にすることができます。
今回の記事では、キャンピングカーを使ってレンタカー事業を行うための手続きや注意事項を解説します。
キャンピングカーに限らず、他人に車両を貸し出しレンタル料を徴収する、いわゆるレンタカー事業を始めるためにはレンタカーの許可を取得する必要があります。
レンタカーの許可が取得できると、貸し出すための車両を「わナンバー」に変更するすることが出来るようになります。
車両を「わナンバー」に変更することで、その車両を他人に貸し出し適法にレンタル料金を貰う事ができます。
なお、キャンピングカーのような特殊な車両も、レンタカーとして「わナンバー」登録することができます。
レンタカーの許可は、個人でも法人でも取得することができますが、後から個人で取得した許可を法人に移したりすることはできないので、注意しましょう。
キャンピングカーを貸し出し、レンタル料を徴収するといった事業を行う場合には、どのような許可が必要となるでしょうか。
必要となる可能性がある許可を3つほど挙げて解説します。
これまでの流れからすると、キャンピングカーを貸し出すためにはレンタカーの許可の許可が必要となりそうですが、実はキャンピングカーをの貸し出し方法によって許可が必要であるかどうかが変わります。
結論、このパターンは必ずレンタカーの許可が必要となります。
車両として貸し出すというのはどういうことかというと、借りた側がキャンピングカーを運転し、公道を走ることを想定して貸し出すという事です。
おそらくキャンピングカーのレンタル事業を行う場合のほとんどがこのパターンだと思います。
車両を貸し出して収益を得るのですから、もちろんこのパターンはレンタカーの許可を取得し、キャンピングカーを「わナンバー」に変更する必要があります。
施設として貸し出すとはどういうことかというと、基本的にキャンピングカーは動かさず、建物のような扱いとして貸し出すという事です。
このパターンは、レンタカーの許可が必要となる可能性は低くなります。
レンタカーの許可は、そもそもナンバープレートを付けて公道を走る車両を前提とした許可であるため、建物のような定着物を貸し出す場合についてはレンタカーの許可は不要となります。
ただし、事業の内容によっては100%不要とは言い切れず許可が必要となる場合もあるので、事業の内容が固まったら管轄の運輸支局に許可が必要となるかどうか相談するのが良いでしょう。
旅館業の許可が必要となるかどうかについては、車両として貸し出す場合は許可が不要となる可能性が高く、施設として貸し出す場合には許可が必要となる可能性が高いという結論になります。
つまり先ほどのレンタカー許可の要否と真逆の考え方という事になります。
そもそも旅館業の許可は、どのような場合に必要なのかというと次のように定められています。
簡易宿所営業及び下宿営業を営もうとする者は、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
旅館業法 第2条、第3条より抜粋
キャンピングカーを貸し出す行為が、ここでいう簡易宿所営業及び下宿営業に該当するのかどうかというのは、まだ明確に定められていません。
キャンピングカーは構造としては車両でも、実質的に宿泊施設として貸し出す場合には、この簡易宿所営業及び下宿営業に該当する可能性はあります。
ということで、ここまでの結論としては、次のようになります。
キャンピングカーを車両として貸し出す:レンタカーの許可が必要
キャンピングカーを施設として貸し出す:旅館業の許可が必要となる可能性がある
これはキャンピングカーのレンタルではなく、キャンピングトレーラーのレンタルを想定しています。
そして結論としては、運送業の許可は不要なのですが、なぜこのような議論があるのかどうか説明します。
まず、キャンピングトレーラーを貸し出すこと自体は運送業の許可は不要です。
しかしキャンピングトレーラーを貸し出すにあたって、お客さんのもとへトレーラー運搬する場合、運送業の許可が必要となるかという疑問が残ります。
なぜ運送業の許可が不要なのかというと、貨物を運送しているわけではないからです。
運送業の許可というのは、有償で貨物を運送する際に必要となる許可です。
今回運送しようとしているのは、貨物ではなく車両そのものです。
つまりけん引する車両1台と、けん引されるキャンピングトレーラー1台の2台を1セットと考え、お客さんも元へ運ぶのは貨物ではなく車両の一部という考えになるのです。
車両を自走して運ぶ場合は、運送業の許可は必要ありません。
つまりキャンピングトレーラーの納車は、車両の自走運搬の拡大解釈となり、運送業の許可は必要ないという結論になるわけです。
キャンピングトレーラーをけん引する車両を「緑ナンバー」にする必要はありませんし、もちろんキャンピングトレーラー自体も「わナンバー」にする必要はありますが、「緑ナンバー」にする必要はありません。
キャンピングトレーラーの話ができてきたので、トレーラーについても少し触れておきます。
キャンピングカーに類似する車両として、キャンピングトレーラーがあります。
キャンピングカーにはもちろんエンジンがついているため自走することができますが、キャンピングトレーラーというのは他の車両にけん引してもらう前提であるためエンジンはなく、自走することができません。
自走できないのであれば、そもそもレンタカーの許可を取得して「わナンバー」にしなくとも良い気がしますが、実はキャンピングトレーラーも有償で貸し出す際はレンタカーとして登録しなければなりません。
ただし、キャンピングカーと同じように、キャンピングトレーラーを動かさずに建物のような目的で貸し出す場合には、レンタカーの許可は不要であると言われています。
キャンピングカーをレンタカーとする場合は、その特殊性から注意すべき点がいくつかあります。
キャンピングカーに限らず、レンタカーとして「わナンバー」登録する際には車庫証明が必要となります。
車庫証明というのは、車両の駐車スペースを証明する書類で最寄りの警察署に申請することで取得することができます。
車庫証明は、レンタカーの許可の会社で取得した場合は会社の住所から直線で2km以内の場所(レンタカーの許可を個人で取得した場合は、個人の住所から直線で2km以内の場所)で取得しなければなりません。
しかし、キャンピングカーというのは車体が大きくレンタカー用に複数台用意するとなると駐車スペースの確保が大変です。
それに車庫証明の取得という面から、会社の住所から2kmという縛りもあります。
そんな時はキャンピングカーにおける車庫証明の特例を使用すると良いでしょう。
この特例はキャンピングカーなどの特殊な車両について、車両の管理をモータープール業者に委託することで、会社の住所から2kmという縛りがなくなるといった趣旨の特例です。
この特例を使用することで、会社の周りにキャンピングカーを複数台置くことができない場合でも対応できます。
キャンピングカーのレンタル事業を行う際には、レンタル料金の設定についても注意しましょう。
キャンピングカーというのは、当たり前ですがキャンプを行う前提で借りる方が多いです。
そのため、キャンプのハイシーズンであるGWやお盆などは需要が高まり、逆に真冬の平日などは需要が減ります。
そのため、普通のレンタカーの感覚で料金表を作成すると、需要と供給のバランス的に損をしてしまいます。
そのため、キャンプのシーズンを意識してレンタカーの料金を設定すると良いと言えます。