運送業に関する登録免許税や手数料について解説

相談者様

 

運送業の許可や登録を受けるためには、手数料のようなお金はかかりますか?

行政書士

 

登録免許税という税金がかかる場合があります。

相談者様

 

その登録免許税というのはいくらかかりますか?

行政書士

 

受けようとする許可や登録の種類によって金額はさまざまです。

 

今回の記事では、運送業の許認可や登録を受けるための登録免許税について、金額や支払いのタイミングについて解説します。

 

 

一般貨物自動車運送業許可

最初は、いわゆる緑ナンバーと呼ばれるトラックで貨物を運ぶ一般貨物運送業の許可に必要な登録免許税です。

 

申請の区分 税額 備考
新規許可 120,000円 許可を持っていない方が最初に取得する許可
譲渡譲受・合併 0円 許可を持っている会社等から許可を譲り受ける場合など
変更認可 0円 営業所や車庫の位置の変更など
変更届 0円 車両、役員などの変更

 

ご覧のとおり、一般貨物運送業は新規許可時以外は、登録免許税はかかりません。
税額は120,000円で、許可が下りてから1ヶ月以内に納付する必要があります。

 

第一種貨物利用運送事業登録

次は、いわゆる水屋と呼ばれる利用運送について解説します。
なお利用運送には、どの輸送機関を使用するかというモードという概念があります。

 

第一種貨物利用運送事業

 

モードはトラック、鉄道、貨物船、飛行機の4種類あり、貨物船や飛行機を使って輸出入を行う事業者をフォワーダーと呼びます。

 

登録免許税額は、次の表のとおりです。

 

申請の区分 税額 備考
新規登録 90,000円 登録をしていない方が最初に行う登録
変更認可 15,000円 運送機関(モード)の種類の追加、区域若しくは区間の増加、業務の範囲の増加に係るものに限る
変更届 0円 営業所の位置、役員などの変更

 

第一種利用運送の登録免許税は、どのモードでも新規登録の登録免許税は90,000円です。
さらに、一般貨物運送業許可と違い、変更認可申請においても登録免許税が必要となる場合があります。

 

すべての変更認可に登録免許税がかかるわけではなく、モードの追加や輸送の区域の増加など、大幅な事業拡大についてのみ登録免許税が課されます。

 

例えば、第一種利用運送の新規登録をトラックで取得した場合、登録完了から1ヶ月以内に90,000円の登録免許税を納付する必要があります。

 

その後、事業の拡大に伴い貨物船を使っての海外への輸出手配も行う事となった場合は、第一種利用運送の変更認可(外航海運モード追加)を検討する必要があり、登録免許税として15,000円必要です。

 

なお、この段階でトラックモードの第一種利用運送の登録が完了しているので、外航海運モードの第一種利用運送新規登録という申請は出来ません。

 

仮に第一種利用運送の登録申請中に、別のモードの第一種利用運送の新規登録をおこなった場合、1つ目のモードの登録が完了した時点で、もう一つの新規登録申請はモード追加の変更認可申請に自動的に切り替わります。

 

ワンポイントアドバイス

第一種利用運送の申請には、同時申請という仕組みがあります。
例えば、トラックモードと外航海運モードの第一種利用運送の新規登録を同時に申請することができます。

 

同時申請を行うと、モードの追加分の登録免許税15,000は免除されるため、新規登録分の90,000円で複数のモードを登録することができます。

 

なお、モードの追加で15,000円の登録免許税が必要となるのは、本邦と外国との間において行う事業のみであるため、外航海運と国際航空のみです。

 

鉄道や内航海運、国内航空モードの追加は、外国への輸出事業が絡まないので、登録免許税は不要です。

 

第二種貨物利用運送事業許可

続いて第二種貨物利用運送事業許可の登録免許税について解説します。
第一種利用運送は登録制だったのに対して、第二種利用運送は許可制となります。

 

しかしながら、登録制と許可制について実質的な違いはなく、言葉の違いだけと思っていただければ大丈夫です。

 

登録免許税額は、次の表のとおりです。

 

申請の区分 税額 備考
新規登録 120,000円 登録をしていない方が最初に行う登録
変更認可 20,000円 運送機関(モード)の種類の追加、区域若しくは区間の増加、業務の範囲の増加に係るものに限る
変更届 0円 営業所の位置、役員などの変更

 

モード追加に関する登録免許税の考え方や、同時申請の制度については第一種利用運送と全く同じです。

 

産業廃棄物収集運搬業許可

ダンプやトラックで産業廃棄物を運搬する際に必要な、産業廃棄物収集運搬の許可にも、申請の手数料として国に支払うお金が必要となります。

 

必要となる手数料は次の表のとおりです。

 

申請の区分 税額 備考
新規許可 81,000円 許可を持っていない方が最初に取得する許可
更新許可 73,000円 許可を更新する際に取得する許可(許可期限は5年)
変更許可 71,000円 廃棄物の種類の追加、積替え・保管施設の追加など
変更届 0円 車両、役員など軽微な変更

 

一般貨物運送業と異なり、産業廃棄物収集運搬業許可には更新があり、そこで手数料が必要となります。
また、運送業の許可等は登録免許税でしたが、産業廃棄物収集運搬業許可は申請手数料という名目で手数料が必要です。

 

レンタカー許可

運送業の許可ではありませんが、同じ自動車系の許認可という事で、レンタカーの許可に必要な費用も紹介します。

 

申請の区分 税額 備考
新規許可 90,000円 許可を持っていない方が最初に取得する許可
事業譲渡 0円 レンタカー事業の譲渡など
変更届 0円 料金表、役員などの変更

 

レンタカー許可の登録免許税の仕組みは、一般貨物運送業許可とかなり似ています。