利用運送登録に必要な費用について解説

相談者様

 

利用運送登録をするのにどのくらいの費用がかかりますか?

行政書士

 

第一種貨物利用運送の登録にかかる費用は、全て総合するとおおよそ65万円から80万円程度だと考えれます。

相談者様

 

けっこうかかるんですね。

行政書士

 

そうですね。

ただ事業の計画や法人か個人で申請するかなど、申請する事業者ごとに前後する可能性があります。

 

今回の記事では利用運送を始めるまでの流れと、それぞれに必要な費用について解説します。

 

利用運送事業を始めるまでの流れ

利用運送の事業を開始するまでに、次のようなステップを踏む必要があり、費用が掛かる部分を赤文字で示しています。

 

  1. 会社の設立
  2. 事務所の確保
  3. 利用運送契約の締結
  4. 必要書類の収集
  5. 申請書類の作成
  6. 申請書の提出
  7. 運輸局による審査
  8. 登録通知書の交付
  9. 登録免許税の納付
  10. 運賃料金設定届の提出
  11. 営業開始

 

下記にそれぞれ費用について解説します。

 

会社設立にかかる費用

会社設立には、利用運送の登録費用とは別に約30万円ほどの費用がかかります。

 

最近では、最初は個人事業からスタートし、事業が軌道に乗ったら法人化するという方も増えてきています。
しかし、利用運送事業を始める際は、法人を設立する方がまだ多数派です。

 

これは個人事業よりも、法人の方が節税対策や社会的信用などの観点から事業を行う上で有利であるためです。

 

会社設立の費用は、「専門家に支払う報酬」と「国などに支払う法定費用」の2つに分けられますので、それぞれ分けて解説します。。

 

設立のため専門家に支払う報酬

会社設立を行政書士などの専門家に依頼する場合は、そのサービスに対する報酬が発生します。

 

報酬の相場は、日本行政書士会連合会の統計によると、平均値が93,878円で最頻値が100,000円とされており、おおよそ10万円前後と言えます。

 

もちろん、自分で手続きを行う場合は専門家に支払う報酬はかかりません。
ただし、法人の設立手続きを「電子定款」で行わない場合、定款印紙代が別途4万円かかるというデメリットがあります。

 

「電子定款」による認証には電子証明書や申請システムが必要となるため、自分で行うのは難易度が高い傾向があります。

 

国などに支払う法定費用

法人を設立する際には、国などに支払う法定費用が約202,000円かかります。

 

具体的な内訳としては、公証役場に支払う定款認証手数料が約52,000円前後であり、登記申請時に必要な登録免許税が150,000円です。

 

この費用は、専門家に依頼する場合でも、自分で手続きを行う場合でも同様に必要なものになります。
また、先述の通り、電子定款ではなく紙定款で認証する場合は追加で約40,000円の費用が必要となります。

 

事務所の賃貸にかかる費用

利用運送を始めるための事務所を借りる場合は、規模によっても異なりますが、15万円から30万円程度の費用を見込んでおくと良いでしょう。

 

利用運送登録には、業務を行うための事務所が必要であると法律で定められていますが、事務所とは言っても自宅や実家の一室を登録することも可能です。

 

そのため、新たに部屋を借りる必要は必ずしもありませんが、自宅が登録できない場合や仕事とプライベートを分けたい場合もあります。
このような場合は、事務所の賃貸費用を入れておく必要があります。

 

利用運送契約を結ぶための費用

利用運送契約書を作成する際には、契約書に貼る印紙が1通あたり4,000円分必要です。

 

通常、契約書は荷主と利用運送事業者がそれぞれ1通ずつ保管するため、合計で8,000円分の印紙が必要となります。

 

印紙代に関しては、通常は各当事者がそれぞれ1通ずつ負担しますが、荷主によって異なる取り扱いがあるため、当事者間で協議して決定することが一般的です。

 

必要書類を集めるための費用

利用運送事業の登録には、さまざまな書類が必要です。

 

法人での申請の際には、「履歴事項全部証明書」が必要となる一方、個人事業主での申請の場合には「戸籍抄本」が必要であり、これらの書類を取得するには発行費用がかかります。

 

「履歴事項全部証明書」は法務局で取得可能であり、手数料は600円です。
「戸籍抄本」は本籍地の市区町村役場やマイナンバーカードを使用してコンビニなどで取得でき、手数料は450円です。

 

申請のため行政書士に支払う費用

利用運送登録の申請を行政書士に依頼する場合は、報酬が発生します。

 

報酬の相場については、日本行政書士会連合会の統計によると、平均値が113,075円で最頻値が110,000円となっており、一般的には10万円前後と言えます。

 

行政書士に依頼する場合、申請書の作成と運輸局への提出だけでなく、利用運送の事務所が登録可能であるかの調査や利用運送契約書のひな形の準備など、総合的なサポートを期待できることが一般的です。

 

登録免許税を国に支払う費用

利用運送の登録手続きが完了すると、国に登録免許税として9万円を納付する必要があります。

 

登録通知書」と呼ばれる許可証とともに、登録免許税の納付書も渡されるため、金融機関などで振り込みを行います。

 

ちなみに、許可を取得する際に登録免許税を納付する必要があるケースは他にもあります。

 

例えば、一般貨物運送業許可の場合は12万円、レンタカー許可の場合は9万円、産業廃棄物収集運搬業の許可の場合は8.1万円の登録免許税が必要となります。

 

ご相談はお気軽に

今回は利用運送登録に必要な費用について、手続きの流れを交えて解説しました。

 

「利用運送の許可を取りたい」「利用運送のことで疑問がある」という方はお気軽にお問い合わせください。

 

 

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